用語集

トゥイッチ

トゥイッチとは、もともとカウボーイ用語で、荒馬を操るときの鼻輪、もしくは鼻革を指す。リーのジーンズにおけるレザーラベルの素材名称。リーがレザーラベルの素材としてヘアオンハイド(毛を残したままの牛革)を採用したのは1936年のこと。これをロウハイド(生革)に替えたのが1940年頃。この革のことをリーでは“トゥイッチ”の愛称で呼んでいた。

ドゥエスパッキ

イタリア語でサイドベンツを表す。イタリアスタイルではよく見られるディテール。

トウコート

トウは船を綱で引くこと、漁師の仕事着にちなんだ呼び名であり、一般にはダッフルコートの名で知られている。

2トーンステッチング

二色使いの縫い糸のこと。リーバイスジーンズで1967年まで使われていた2色の縫い糸のこと。バッグポケットや裾にイエローとオレンジの2色の糸を使って縫い分けているが、その理由は定かではない。ヴィンテージジーンズの判別上、重要な糸づかいである。

2プロングボタン

初期の頃のジーンズで使われていたボタン。プロングは(フォークなどの)とがった先などの意味がある。2本の爪を折り曲げてボタンを固定したのでこの名がある。これに対して1本爪のものを「ワンプロング」という。

2ホースレザーパッチ

 リーバイ・ストラウス社が2ホース印を登場させたのは19世紀後半。当初はオイルクロスのフラッシャー(保証書)上にこのマークが印刷された。そこには「もし破れた場合には無料で新品と交換する」と記されていたが、このフラッシャーは身に付けるときに取り外されてしまうので、1886年以降、ウエストバンド右側に縫い付けられようになった。ちなみにレザーラベルが革製からプレストカード(圧縮紙)に替えられたのは1954年頃からである。

ドキュメントケース

書類入れとして使用するバッグのこと。

ドッグイヤーカラー

文字通り、犬の耳のような形をした襟。立てればスタンドカラーになり、折り返せば犬の耳の形になることからの命名。

ドクターバッグ

文字通り医者用のバッグ。しっかりとしたハンドル、真鍮製の金具と錠、黒革製のものをいう。留め金を外すと口が大きく開き、中のものを取り出しやすい。機能性に優れているのでビジネスバッグとしても使われた。

床ベロア

バフ(やすりなどで起毛すること)がけしてベロア(毛足の長いベルベットに似た織物)調に仕上げたものをいう。ちなみにスエード調なら床スエードと呼ぶ。床革とは、皮を水平に2層以上に分割した際に得られる、銀面以外の部分のことをいう。

ドースキン

礼服地の一種。鹿革に似た表面感を特徴とする。フェース(起毛)仕上げを施した、光沢のある無地織物で、色は黒が中心。俗にいうカシドスとは、カシミアを用いたドースキン織物の意味であるが、現在ではそれに似せたまがいものが多いともいわれる。

トップコート

合着用のコート。春や秋に着用する合コートの総称。スプリングコートともいう。

トップセンターボックスプリーツプラケット

ボタンダウンシャツの前立て(シャツの前打ち合わせで、とりわけボタン穴がかがられている部分)を指す。

ドッピオペット

イタリア語でダブルブレステッドのこと。

トッピング

中古ジーンズに特有の削れた部分についた汚れ感覚を演出する染め加工のこと。ブラウン、グレイ、グリーンなどの染料を使用する。

トップハット

シルクハットにほぼ同義。主に絹の黒色プラッシュ(毛足の長いベルベット)で作られた、円筒型の高いクラウンと両脇の巻き上がったブリム(つば)を特徴とする正礼装用の帽子を指す。トップハットという語の登場は1800年代初頭で、ファッションとして一般化するのは1830年代にいたってのこととされている。トップハットは通常、黒と決まっているが、当時はスポーツ用としてグレイやブラウンなどのほか、ことに1820年代から30年代にかけては白色のものが流行したと伝えられている(シルクハットの項参照)。

トートバッグ

大型の手提げバッグのこと。上部が開き、ハンドルが2つ付いている。女性用の手提げバッグの一種。使われる素材は様々で、内側には物入れ用のファスナー付きのポケットが付いたものもある。トートは「運ぶ」の意。

ドーナッツボタン

別名、ドーナッツホールボタン。中央が空洞になったドーナッツ状のボタンのこと。ボタンは自動機が開発されるまでは、手作業でつけられていたため、穴があることにより、より確実にボタン留めの針を打ち、曲げることができた。

ドニゴールツイード

北アイルランドのドニゴール地方で織られたアイリッシュツイードの一種。経糸に白糸を、緯糸にネップの入った色糸を用いて織られている。

トライアングラー

ポケットチーフのたたみ方。ケネディーフォールド(同項参照)はこれの変形。

トラウザーズ

パンツを指す英語。本来はパンタルーンズ(同項参照)よりゆったりしたものを指した。パンツ一般の名称として用いられるのは1850年以降。現在は、スーツと対になったパンツという意味合いでも使われる。

トラックストライプ

「軌道、線路」などのように2本ひと組の幅広縦縞のこと。ドレスシャツに多く使う。オックスフォード(オックスフォードクロスの項参照)などの素材によく採用されている。主にアメリカで使われる言葉。

トラックス

トラックスはこの場合「鉄道線路、軌道」の意味である。ヴィンテージジーンズの外縫い目に見られる凹凸感、濃淡色のことを指す。いわゆるアタリ(同項参照)のひとつ。外縫い目の裏側で折り返された縫い代の両端が表面に微妙なニュアンスを生み出す。その凸凹の様子が鉄道の枕木を思わせるところからこの名前がついた。

トラディショナルモデル

ナチュラルショルダー、シングルブレステッド、3ボタン中1つ掛け、段返りのジャケットにストレート型パンツを合わせるものを指す。

トラディショナルブレザー

ナチュラルショルダーを特徴とした伝統的なブレザーのこと。特にアメリカでは、シングル3ボタン段返り、センターベントや、ウエルトシーム、パッチ&フラップポケット、前ダーツのないタイプをいう。ブルックシーモデル=ブルックス型のことでもある。アイビーブレザー(同項参照)はこれの誇張型になる。

トランク

大型バッグで、長期旅行用に適したものをいう。トランクは本来「木の幹」という意味がある。貴族、富裕階層御用達のルイ・ヴィトンはまさしく木製のトランクで名を馳せた。こうした大型カバンは、ハンドバッグ(持ち運べる)と区別してバゲージやラゲージと総称される。

トリコットステッチ

かぎ針編みの一種。俗にいう畳編み。畳の目のように編んだもの。

ドレスグローブ

礼装用手袋の総称。通常、ヴェストと同色のものを用いる。つまりテールコートなら白、タキシードなら黒、モーニングコートならグレイとなる。素材はキッド(仔山羊)、ディアスキン(鹿革)、シャモワ(カモシカ)、バックスキン(雄鹿)から絹織地などのものがふさわしい。いずれも手にフィットするものを選ぶ。

トレボットーニ

イタリア語で「トレ」とは数字の3、ボットーニとはボタンの複数形で、「3ボタン」の意味。シャツの台襟、通常、第1ボタンにあたる部分にボタンを3つあしらっている形態を指す。

トレンチコート

コートにケープを重ねたようなキング オブ メンズコートの異名をもつほどのレインコートの王者。イギリス陸軍の塹壕(トレンチ)戦用に開発されたところからこの名がついた。ひとつひとつのディテールがもつ機能的デザインが特徴。

ドロップサイズ

ドロップ寸ともいう。ジャケットの胸囲と胴囲の差のこと。ウエスト絞りの度合いを示す。

ドロップショルダー

肩先(袖付け部)が通常の肩線より落ちているショルダーラインのこと。

トロピカル

非常に薄地で軽く、さらりとした肌触りの梳毛織物で、盛夏向きの素材である。トロと略称する。柄は無地かソルト&ペッパー=霜降りのウールが代表的。

ドゥエボットーニ

イタリア語で「ドゥ」とは数字の2、ボットーニとはボタンの複数形で、2ボタンの意味。シャツの台襟、通常、第1ボタンにあたる部分にボタンが2つあしらわれている形態を指す。

ドックワーカーシャツ

ドックワーカーとは港湾労働者のこと。なかでもフレンチドッカーズシャツと呼ばれるものは代表的で、港湾労働者の荷揚作業用仕事着を指す。オープンカラーで胸から裾にかけて3個の変わりポケット付き。袖にはまくり上げ留めのタブが付く。背にはプリーツがたたまれていて動きやすい。

ドックワーカーとは港湾労働者のこと。なかでもフレンチドッカーズシャツと呼ばれるものは代表的で、港湾労働者の荷揚作業用仕事着を指す。オープンカラーで胸から裾にかけて3個の変わりポケット付き。袖にはまくり上げ留めのタブが付く。背にはプリーツがたたまれていて動きやすい。

ドッグカラー

牧師服の襟。犬の首輪を連想させるので首輪襟とも。首の後部で留める立ち襟式。

ドビークロス

ドビー織り機(綾織り機の一種)で織った地紋柄が特徴のシャツ生地。白地に白の紋様はホワイトオンホワイトと呼ぶ。

ドレスシャツ

以前は礼装用のシャツを指していたが、現在はスーツに合わせて着られるシャツ全般を指すようになった。

ドレープブレザー

ドレープとは服にできる布地の美しいひだのことで、ゆったりと仕立てられたブレザーを指す。1930年代から40年代にかけて流行したシルエット。広い肩幅、胸のゆとり、ワイドラペル、オープンパッチポケット(同項参照)などが特徴。シングルもダブルもある。