用語集

クアトロピエゲ

芯地は使用しているが、裏地部分から小剣通しまで表生地を使用した作りの4つ(イタリア語でクアトロ)折りネクタイ。大剣の折り返し部分を両サイドに折り返し、裏と表が同じシルク素材となる贅沢な作りである。「フォーフォールド」ともいう。

クイックストーン

ストーンウォッシュ加工の一種。アメリカ、バーリントンデニム社の商標名。

空紡糸

空気紡績から生まれる糸のこと。繊維を高速回転するローターの中に入れ、遠心力により糸にする手法を用いる。現在、欧米で生産されるジーンズは、この糸を使用したものが目立つ。別名オープンエンド紡績。紡績の大量生産に目指した開発から生まれた。

ぐし縫い

布に串を刺すように、表裏の針目を揃えて、細かい目で縫う技法。袖山、肩線、パンツのウエストラインのいせ込み(同項参照)をする場合に用いられる。

クバベラシャツ

アウターシャツの一種。オープンカラー、4つのフラップポケット、肩から裾にかけて左右1本ずつ走る箱ひだ状帯がある。素材は麻。革命前のキューバで農園主が好んで着ていたものが30年代のフロリダでリゾート客に流行した。別名「ガヤベラシャツ」同様、クバベラシャツはジョン・ワナメーカー社のブランド名。

グラウンドジャンパー

グラウンド(運動場)でスポーツ選手たちが身につける防寒用のジャンパーをいう。胸にチーム名、ロゴなどを貼り付けたものが多い。日本ではスタジアムジャンパーとも呼ばれる。

クラシックテニスカーディガン

Vネックと総縄編みを特徴とする白ないし、オフホワイトの厚手カーディガンのこと。

クラッシュスタイル

ポケットチーフのたたみ方。チーフのヘリを上にして、無造作に胸ポケットに挿した感じのもの。別名、ペタルトリートメント、クラッシュドインともいう。

クラッシュドデニム

表面の凸凹感が特徴のデニム地。ヨコ糸に超強撚糸を織り込んで仕上げ、それを洗うことによって凸凹感が生まれる。さらにストーンウォッシュなどの加工を加えることによって大胆な色落ち感が得られる。

グラッドストンバッグ

このバッグの名前は、ウィリアム・E・グラッドストンという英国の自由党から出た首相の名からとったもの。彼は英国紳士の絶大なる支持を受け、海を越えた日本でも知られた、世界で最も多忙な人物だった。彼が2期目の首相の(1882年頃)ときに、このバッグは登場している。人々の尊敬を集めた政治家グラッドストンの旅行用バッグとして、愛用されたグラッドストンバッグは、現代人にとって、19世紀のよき時代の象徴ともいえよう。日本でも、真ん中から大きく割れているところから「大割れカバン」(同項参照)といわれ、1880年代後半頃に作られていた。

クラバッタ

イタリア語でネクタイのこと。

クラバット

フランス語でネクタイのこと。元来は17世紀頃の男性服に見られる、あごの下に巻かれたスカーフ状の襟元飾りのことで、ネクタイの源とされる。蝶結びにしたり、垂れ下げたりした。

クラブタイ

クラブの会員用ネクタイ。クラブカラーを特徴にしたものでストライプ柄が目立つ。

クラフトバッグ

手工芸による材料(手彫りの皮革や民芸風の染織品など)を用いたバッグをいう。

クラブフィギュア

俗にいうクレスト柄ないしヘラルディックパターンの一種。クラブ小紋とも訳される。クラブの紋章を散らした織り柄ないしプリント柄。ネクタイに多用される。

クラブボウ(タイ)

クラブシェイプともいう。蝶(ボウ)ネクタイの一種。直線的なカットの蝶結びタイ。ナイトクラブの支配人やバーテンダーがつけたことからの命名。アメリカの服飾用語で1920年代に登場。

クラブジャケット

クラブなどで定められた制服や遊技服。類語はクラブコート、クラブブレザー。通常、クラブストライプかクラブカラー、クラブバッジ、クラブエンブレムなどが特徴。またブレザー以前のブレザー型の服を指すこともある。この言葉はイギリスで1840年代から1880年代に用いられるようになった。

クラブストライプ

クラブカラーなどで構成されたストライプのこと。レジメンタルストライプとほぼ同じで、連隊用でないだけのこと。クラブとは主に、イギリスのパブリックスクールや大学のアスレチッククラブなど、学生スポーツクラブのこと。1820年代末頃のイートンやハローなど、上流パブリックスクールのクリケットクラブの選手や応援団が、シルクのスカーフに採用したのが最初とされている。ネクタイや帽子のリボンに見られるようになったのが1840年代。ブレザーへの採用はその約20年後のこと。

クラブフィギュア

クラブ小紋。各クラブで定められた動物や植物、スポーツにちなんだ絵柄などをモチーフにした小紋柄。ブレザーの胸ポケットの刺しゅう(モノグラムの項参照)や、ネクタイ、スポーツシャツなどの柄に多用される。例えばハンティングクラブのクラブフィギュアが猟犬、ヨットクラブが舵輪というように。

クラレット

フランス語で、フランスのボルドー産の赤ワインの色。ブレザーの色として流行したのは1950年代半ば、および70年代初頭。

クランタータン

大格子のこと。スコットランドの氏族が家柄を表すために用いた格子柄の総称。タータンチェック、タータンプラッド、ハイランドプラッドともいわれる。

クリケットブレザー

イギリスのクリケットクラブで定められたブレザー。シングルで3ボタンまたは4ボタン。シルエットはずん胴で丈が長い。一重仕立ての裏なしで白無地のフラノかクラブストライプが基本。1870年代に流行した。

クリケットセーター

縄編みとクラブカラーによるストライプ(ネックと袖、裾に施される)を特徴にした、白ないしオフホワイトのVネックプルオーバーのこと。

グリースウール

未脱脂毛のこと。羊毛を洗わずに、そのまま紡いだものを指す。防水性は高いが、羊毛の臭いが強い。

クリムゾン

濃紅色、ダークレッドともいう。1950年代末から60年代初頭にかけてブレザーの色として大流行。当時はこの色にグレイフランネルのパンツを合わせた。

クルーソックス

白ないし生成りのコットン素材の靴下。はき口にラインを入れたものが多い。スポーツやカジュアル用。

クルーネック

通常は、首の周りに沿った一重ゴム編みの丸い襟開きを指すが、二重ゴム編みや変形なども。

クルーネックシェットランズ

丸首のシェットランドセーター(同項参照)のこと。中太の7ゲージ(ゲージの項参照)クラスの単純な天竺編み(同項参照)はその基本とされている。登場は1870年代の英国。アメリカ上陸は1904年。一般的な普及は20年ほど後の1928年頃から。

グレイフランネルズ

灰色のフラノ製パンツの通称。類語にホワイトフランネルズ(同項参照)がある。

グレイモーニング

明るい霜降りグレイのモーニング型スーツのこと。俗にいうアスコットモーニング(同項参照)。英国では競馬見物用の正礼装として、また結婚式における新郎の衣装として着用されている。

グレージング仕上げ革

光沢、滑性を与えるために、メノウやガラス玉などのローラーで銀面に重圧をかけたもの。

クレスト

もともとエンブレム(同項参照)などの最上部につく家紋だった。例えば、英国の近衛師団のエンブレムの頂上の王冠など。昨今は紋章=エンブレムやワッペン(同項参照)自体を指すことが多い。

クレスト

本来はエンブレムなどの最上部に付く家紋のこと。最近では紋章それ自体を指すことが多く、小紋柄のように紋章を散らしたネクタイをクレストタイと呼ぶ。

グレナディン

ネクタイの織りの一種。織り目の粗い薄い織物で、その名前はスペインのgranadaにちなんでいる。一方、その風合いから、フランス語のgrenu(ざらついた)とも関係があるなど諸説ある。俗にいうフレスコ、メッシュなど盛夏用ネクタイの典型素材。シルクが中心だがウールやコットン素材も見られる。

グレナディン

平綾絹。地が厚く、綾目がつぶれて、一見平らに見える綾織りの絹地を指す。テールコートやタキシードの拝絹に用いられる。

クレリックシャツ

身頃が柄か色無地で襟とカフスを白無地にした変わりドレスシャツのこと。クレリックシャツは和製英語。正しくはカラーセパレーテッドシャツ(同項参照)、ホワイトカラードシャツという。

クレープラバーソール

生ゴム製のソールのこと。デザートブーツ(同項参照)にはつきもの。

生ゴム製のソールのこと。デザートブーツ(同項参照)にはつきもの。

畝綾絹の一種。パンツの側章(サイドストライプの項参照)やパンプスや帽子のリボンの飾りなどに使われる素材

クロコダイル

通常はワニそのものをいうが、ワニの皮革のことも指す。

クロシェニット

ネクタイ用のニット素材。かぎ針で編まれたウールないしシルクの編み地。

クロスオーバーVネック

Vネックの変形。V字の先が交差しているもの。

クロスオーバープラケット

襟の開きの先が交差したプルオーバーシャツ(同項参照)のプラケット(前立て)のこと。

クロスステッチドボタン

4つ穴ボタンを糸でX字状に掛けたもの。補強の意味もある。

クロスタイ

リボンタイ(同項参照)の一種。幅4cm、長さ50cm前後のグログラン(固く密に織られた横畝のある織物)やサテンのリボンを前で交差させ、交差した部分をピンで留める。1890年代に登場。1950~60年代初期には、タキシード用のネクタイとして注目されたこともある。

クロスベルト

布製ベルトの総称。丈夫な綿や麻が主要素材。カジュアル用のベルト。リボンベルト(同項参照)などが代表的。

布製ベルトの総称。丈夫な綿や麻が主要素材。カジュアル用のベルト。リボンベルト(同項参照)などが代表的。

木靴の一種で、木やコルクの靴底を付けたがっしりとした感じの靴のこと。

クロッチリベット

クロッチリベットとはヴィンテージジーンズに見られる、股下の部分に打ち込まれたリベットのこと。リベットは補強縫製の進化と共に、用いられる箇所が減っていくが、この股下リベットもそのひとつ。

クローバーリーフラペル

ジャケットの襟型。変わり襟の一種。上襟、下襟とも角を丸くしたノッチドラペル。クローバーの葉の形をしている。花弁襟とも訳され、下襟だけを丸くしたものはセミクローバーという。

クロムなめし革

硫酸クロム塩(鉱物のクロムから作った溶液)を使ったなめし法。柔軟性、伸縮性、耐水性、耐熱性、染色性に富み、なめし期間も短く、経済的にも優れていることから、現在最も多く採用されているなめし法。

クローク

フランス語で鐘を意味するクロシュから転じた言葉。袖なしコートの総称。ドレスクローク、ウエザークロークなど多種。ケープ、マントに同義。

クローバーリーフカラーブレザー

カラーの切り込みが、クローバーの葉のように丸くなっているブレザー。ファンシーブレザー(同項参照)の類。遊び着的なブレザーで、思い切った色のパイピングを施しているものも。

クーリーコート

クーリー(苦力)とはかつての中国の労働者のことで、彼らが着ていたコートに似ているところから呼ばれている名前。袖ぐり、全体のラインも直線的で腰丈くらいの短めのボックス型コート。襟は立ち襟が一般的。

グッチローファー

イタリア、グッチ社製の肉厚表革を使用したビット(飾り金具)付きのスリップオン(同項参照)のこと。

グラフチェック

方眼状の格子柄のこと。グラフ用紙のような細格子模様。特にアメリカで使われる。

グランパブーツ

ビクトリア朝後期から欧米で大流行したボタンがけ深靴のこと。正式名はボタンドハイシューズ。

グルカサンダル

ネパールのグルカ兵が履いていた、革紐をバスケット状に編んだアッパーが付けられた革底サンダル。

グレインレザー

表革の総称。

グレートコート

グレートは「大きい、偉大な」という意味。裏地に毛皮などを使用し豪華な印象が特徴の防寒コートの総称。イギリスでは厚手の大きな外套という意味で用いられる。