アイクジャケット
第二次世界大戦中、主に米国陸軍が着用した制服で、ウエスト丈の短いジャケットのこと。当時の連合軍最高司令官であったアイゼンハワー元帥(後に34代米国大統領)の愛称「アイク」にちなんでこの名がついた。幅広のウエストバンドが付き、両胸には大型の変わりポケット。肩にはエポーレット(肩章、または肩飾り)が付いているものと、ないものとがある。
アイスウォッシュ
仕上げ加工の一種で、表面が凍結したように見えるところから、この名がつけられた。
アイスランドウール
手触りの硬いウールで、時にはケンプ(細胞が死んだ羊毛。短く、硬い。普通は取りのぞかれる)入りのものも。北欧調のセーターによく用いられる素材。
アイスランドセーター
アイスランドのフィッシャーマンセーターの一種で、防水、防寒のため、未脱脂、未染色の羊毛を編み上げた毛足の長いソフト感のあるセーター。アイスセーター、アイスランディックセーターとも呼ばれる。スカンジナビアンセーター(同項参照)の一種。
アイディリベット
社名もしくはロゴマークの入った鋲のこと。
アイビータイ
1950~60年代に流行った細い幅の結び下げネクタイの俗称。ふつう5cm前後のものを指したが、中には3cm前後の極端な細幅タイプもあった。代表的なものに、レジメンタルやクラブストライプのそれをはじめ、小紋プリント、黒のニットタイなどがある。
アイビーベルト
アイビースタイルに用いられるベルトのことで、特にレジメンタルストライプ(同項参照)柄のリボンベルト(同項参照)を指す場合が多い。
アイビーリーグモデル
アメリカの既製服メーカー所属のデザイナーを中心に構成された「国際衣服デザイナー協会」が55年に発表したスーツモデル。“アイビーリーグ”と呼ばれるフットボールリーグを構成する米国東部の有名私立8大学の学生たちが好んで身に付けていたスーツを一般化したもの。ジャケットはナチュラルショルダーで、ずん胴型のシルエットが特徴。3ボタン上2つ掛け、6ミリのステッチワークにフックドセンターベント。パンツにはパイプステムと呼ばれる細身のものを合わせる。
アイビーストライプ
渋く落ち着いた色の多色縞。アイビーリーガーが好んで用いたためこの名前が付けられた。アメリカで50年代末に登場。日本では60年代初頭に大流行した。
アイビーブレザー
シングル3ボタン上2つ掛け。バリエーションがあり、各カレッジカラーの無地やアイビーストライプ(同項参照)のシングル型が1954年に登場。そのほか、無地のフランネルや細畝コーデュロイのダブル6ボタン3つ掛け型(1958年登場)や、ネイビーフランネル中心の、ニューポートモデル(1960年登場、同項参照)などがある。
アイリッシュグリーン
青みがかった緑=ブルーイッシュグリーン。60年代初頭、アメリカ東部、とりわけニューヨーク州ロングアイランドのカントリークラブで流行した色。
アイリッシュフリーズ
アイルランド版のローデンクロスともいうべき厚手の毛織物。最大の特徴はローデンクロスのシャギーフェイス(毛足の長い表面)に対して、パイル風の仕上げが施されている点。全般にくすんだ色調のものが多い。
アイリッシュフリーズ
フリーズ(厚手ラシャ)の一種。色はグレイ、ブルー、ブラウン系がある。コートやアウターに使われる。
アイレット
小穴のこと。靴の場合はシューレース=靴紐を通すための穴。一般的には、ハト目という。通常2個2列のタイプをトラッドアイレット、5個2列のタイプをファイブアイレットという。
アイレットカラー
ピンホールカラー(同項参照)のこと。アイレット=ハト目。カラーピンを通す小穴を開けた襟のこと。
アイレット編み
透かし目模様の一種。アイレットとは小さな穴の意で、機械で編成するレース編み、あるいは透孔編みのこと。
上着代わりに着られるヴェスト。ダウンヴェスト、フィッシングヴェスト、シューティングヴェストなどがある。
アウターセーター
上着代わりに着られる厚手セーターの総称。カウチンやフィッシャーマン、ノルディックなどバルキーセーター(各項参照)も含まれる。
アウターシャツ
上着代わりに着られるシャツのこと。例えば、C.P.O.シャツ、スタッグシャツ、ランバージャックシャツ(各項参照)など。
アウトシーム
外側の縫い目のこと。アウトサイドシームともいう。これに対して内側の縫い目はインシーム、インサイドシームという。
アーガイルセーター
アーガイルチェック(同項参照)を配したセーターの総称。プルオーバーが多いが、カーディガンもある。
アーガイルチェック
格子柄の一種。菱形を連続した格子柄で色彩もどちらかというと派手。セーターやソックスなどに用いられる。アーガイルはスコットランド西部の州名。
アーキュエットステッチ
リーバイスが考案したバックポケットの飾りステッチのこと。現在は同社の意匠登録。
アクアウォッシュ
1990年にイタリアの生地メーカー、モンテベロ社が開発した、洗い加工を施したデニム生地の総称。アクアはラテン語で水の意味。
あこぐせ
ネックラインからバストポイントに向けてダーツを縫って立体感を出すための方法。
アコーディオン編み
プリーツ状の編み地を作るための編み方で、アコーディオンの蛇腹に似ていることから、この名がつけられた。
アジャスタブルカフス
袖口の周囲のサイズが2通りに調節できる、一重のカフスのことをいう。
アスコットシャツ
アスコットスカーフを襟代わりに取り付けたスポーツシャツ。生地はビエラ(同項参照)で、柄はタッターソールが一般的。まれにはシルクで作られたドレッシーなタイプもある。ツイードやコーデュロイのカントリージャケットに似合う。アスコットタイの締め方は自由だが、右図のような結び方が一般的。
アスコットタイ
礼装用のネックウエアとして用いられる幅広のネクタイ。スティックピンで留めるフォーマル用のタイプ、一重結びにしてスカーフのようにあしらうタイプなどがある。英国、アスコットヒースの王室所有競馬場の名に由来する。
アスコット
ロンドン郊外バークシャー州の地名。この地にあるアスコット競馬場で毎年6月の第3週に開催されるレースは、最も貴族的な行事として有名。モーニングコートの一種にアスコットモーニング(同項参照)と呼ばれるものもあるが、これはアスコットタイ(同項参照)同様、この競馬場に由来する。
アスコットタイ
モーニングコートなど、昼間の正礼装に用いる、いわばよだれ掛け風の形をした幅広ネクタイ。
アスコットモーニング
モーニング型スーツ。霜降りグレイ3つ揃いのモーニングコート。これにグレイのトップハットをかぶり、アスコットタイを締める。アスコット競馬場での正礼装として着用されている。類語グレイモーニング(同項参照)
アズテックパターン
アズテック族(メキシコ先住民、16世紀初めに滅亡した)による、古代文明のひとつ、アズテック文明(アステカは和製語)に見られた独特の幾何学模様。
アタッシェケース
書類やファイルなどを収納するビジネス用ケースのこと。「アタッシュケース」と発音してしまうが、本来は「アタッシェケース」が正しい。その由来は大使館付き随行員(フランス語のアタッシェ)が好んで使っていたからといわれている。厚みのないものは「エグゼクティブケース」と呼ばれることもある。
アタリ
生地の表面にこすれてできる褪色跡の具合をいう。ジーンズの場合、こすれて白くなった部分、または白くこすれた部分と濃く残った部分のコントラストをいう。繊維業界から古着業界まで幅広く使われている用語。
アッパー
靴の甲部分全体の呼び名。対語は底を指すソール。
アトラス編み
ジグザグ状の編み目ができ、菱形の地模様やアーガイル柄を表すのに応用される。ダイヤモンド編みとも。
アニリン調仕上げ革
銀面模様の特徴がはっきりと出るように、透明感のある染料(アニリン)で仕上げたもの
アノラック
パーカ(同項参照)またはビントヤッケ(同項参照)に同義。現在ではフードの付いた防風着の総称。もともとはユーラシア大陸のベーリング海峡沿岸から北アメリカ・グリーンランド東岸に至る極北地帯に住むモンゴル系民族が身につけていた毛皮製のものを指す。アリューシャン列島系民族は同様のものをパーカと呼ぶ。
アビト
服・ドレス一般を指すイタリア語で、狭義でスーツの意味も含む。
アーミーセーター
カーキ色のプルオーバーセーターを指す。第一次世界大戦時、米軍歩兵に支給されたものがはじまり。
アメリカントラディショナル
その名の通り、アメリカの伝統的な紳士服モデル。アメリカンブリティッシュまたはブリティッシュアメリカンモデルともいう。英国移民が多い米国東部に端を発しているだけに英国調スタイルをよりカジュアルな雰囲気に仕上げている。70年代頃からラルフ・ローレンによって作られた、フロントダーツ入りで、ややウエストを絞るなど、英国スーツの特徴を取り入れた形などをアメリカンブリティッシュという。
綾織り
織物の3つの基本的な組織のひとつ。経糸または緯糸がそれぞれ浮き、織り面には斜め方向に綾線が走っている織物で斜文織りともいう。サージやギャバジン、デニムに代表される織り方で、1本おきとか2本おきなどにより布目の角度が変わる。表面が比較的平滑で、肌触りがよい。
アラスカンコート
もともとはアラスカ産のオットセイの毛皮で作られたコートのこと。現在ではより軽量の素材を使用した毛皮のフード付き防寒コートをいう場合が多い。
アランセーター
一般には単にフィッシャーマンセーター(同項参照)とも呼ばれ、わが国でも1970年代初頭に大流行した。アランセーターには、それぞれの家に代々伝わる模様があり、漁師たちが遭難したときにはセーターの模様で身元を確認したといわれている。縄編みの柄が浮き出すように入った白いセーターであり、アイルランド西岸のアラン諸島で女たちによって編まれたもの。漁師が自ら編んだとの説もある。
アルスターカラー
ピークドラペルよりも、ラペルの角度が鈍い襟型。アルスターコート、ポロコートなどによく見られる。
アルスターコート
単に「アルスター」ともいう。いわゆるオーバーコートの典型。丈は膝下丈が原則であり、腰ベルトまたは背バンド付きとした、打ち合わせの深い両前6か8ボタン型の厚手ウールのコート。1869年頃から主に防寒を目的として着られ、初期には取りはずしのきくフードやケープが付いていた。流行の変化によって丈は変わり、合わせもダブルとシングルがあった。袖のカフスが折り返され、後ろ中央に内ひだをとり、裾に向かってセンターベントが入れられるのが特徴。アルスターとは北アイルランド地方の地名で、そこで着られたコート、または同地方で産する厚地のウールを使用したことに由来する。
アルスターレット
軽量素材使用のアルスターコート。重々しいアルスターコートに対し、いくぶん薄手で丈もやや短い。軽量素材を使った略式アルスターコートの総称。別名セミアルスター、ショートアルスター。
アルチジャーノ クラバッテ
イタリア語で、ネクタイ作りの職人の意味。
アルパインシープウール
直訳すれば「アルプスの羊毛」。未脱脂毛の俗称。この毛糸を用いたセーターはすべてウォータープルーフ機能をもっている。グリースウール(同項参照)に同義。
アルパカ
ペルー、ボリビア、アルゼンチン北部など南米高地に産するラマの一種。アンゴラ(同項参照)に似た光沢とソフトな風合いが特徴。紳士婦人服地、ニットウエア素材としても多用されている。
アルバートブーツ
コングレスゲーター(同項参照)に同じ。ヴィクトリア女王の夫君、アルバート公が、議会に登院するときに履いたのでその名が付いた。足首が軽く締まり、歩きやすい。
アルパルハータ
スペインの民俗的な履き物で、フランスでいうエスパドリーユ(同項参照)に同じ
アワードレタードセーター
アワードは「賞、賞品」の意。レターはこの場合、手紙ではなく文字、数字を指す。元はアメリカの学校で、フットボールやラグビーで活躍した選手に贈ったのが始まりとされ、アワードカーディガンの別称もある。レタードセーター、レタードカーディガン(レタードカーディガンの項参照)ともいう。。
アンクルブーツ
アンクル(くるぶし)上までのブーツの総称。
アンクレット
靴下の一種。踝までの短靴下。
アンゴラ
ひとつはアンゴラ山羊のこと。モヘア(同項参照)はその山羊の毛。もうひとつはアンゴラウサギのこと。光沢のあるソフトな感触のニット素材。前者はトルコ、南北アメリカに生息し、後者は英国、フランス、チェコ、スロバキア、中国、などで生産されている。
アンコンストラクテッドスーツ
直訳すれば「非構築スーツ」。スーツに不可欠とされていた、芯地や肩パッド、裏地などをまったく使わないか、極力少なくしたもの。略してアンコン(スーツ)ともいう。
アンダーノット
結び目のすぐ下に柄が出るようにデザインされたネクタイをこう呼ぶ。
アンティーク仕上げ革
ムラ模様などで、時間が経ったような感じに仕上げること。
アンラインドブレザー
裏地抜きの一重仕立てのブレザーのこと。マドラスブレザー(同項参照)などに見られるタイプ。19世紀末のスポーティなブレザーの仕立て方に見られる。対語として、フルラインド(総裏張り)ブレザー。